そのままでOK

我々が人生でやろうとしていることは、よいものだけを集めることです。

いい会社、いい恋人、いい洋服、いい経験。

 

人間は常に「いい」を感じていたい生き物です。

 

じゃあ、何が「いい」なのか。

その人にとって「いい」とは何か。

それは意外と漠然としています。

 

旨いものをたらふく食えればいいのか。

→ 代償として肥満と病気と抑えられない欲求で、逆に苦しくなることはないのか。

 

最高の恋人を見つけた。

→ でも四六時中相手のことが気になって、かえって苦しくなることはないのか。

 

最高の仕事を成功させた。

→ しかし今後その成功に縛られたり、プレッシャーになることはないのか。

 

いい経験をした。

→ そうじゃない時間のつまらなさが、かえって強く感じられることはないのか。

 

 

現実は「いい」も「悪い」も渾然一体となっています。

なにがよくて、何が悪いのか、なんとも言えません。

 

「よくも悪くもない」

むしろそんな経験が一番多いかもしれません。

 

「あれは果たして良かったのか」「あれは果たして悪かったのか」

そんな経験も沢山あるでしょう。

 

 

ものごとは本来、よくも悪くもないものです。

それはただそれです。

しかし、「それはただそれ」はあまりにもつまらないのです。

 

ただのそれに、様々なストーリーを結びつけ、様々な解釈を施し、人生をドラマチックに仕立て上げないと、生きてる気がしないのです。

そして自らこしらえたワンダーランドで、右往左往し、流転のドラマに翻弄されています。

 

うまくいったりいかなかったり、最高の後にどん底がきたり、波に乗ったと思ったら溺れたり。

やんややんやとやっているわけです。

 

しかし、そんなやんややんやに疑問が生じる時も来ます。

「一体自分は何をやっているのか」と。

ハタと立ち止まります。

 

 

いくら素晴らしい経験を沢山集めても、それはただの経験です。

お金持ちの贅沢な経験も、貧乏人の貧しい経験も、多忙な経験もヒマな経験も、経験という意味では一緒です。

そこに軽重高低はありません。

軽重高低という「見方」があるだけです。

真実はフラットです。

 

全ての経験は、等しくフラットです。

いいも悪いもありません。

誰かの人生が誰かの人生に比べて優れている。

そんなことはありません。

どの人生もただの人生です。

どれを選んでも一緒です。

 

何度選びなおしても一緒です。

 

だから。

それでいいのです。

あなたが今生きているその人生でいいのです。

あなたのその人生は、それ以上ない(それ以下もない)人生です。

 

「なんだよ、これでいいのかよ」

 

そうです。

だから安心して生きてください。

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