何かになりたいと、私たちは思います。
でも私たちがなれるのは、自分自身だけです。
自分以外にはなれません。
ですから、自分自身になりましょう。
でも、自分自身って、すでに自分自身なのに、どうやって自分自身になるのでしょうか?
そう、すでに自分自身なので、「やることはない」ということですね。(笑)
何もやることはないわけです。
でも、何もやることはないと言われても困りますね。
今の状況が不満だから、それを変えたいわけです。
それなのに何もしないのなら、何も変わらないじゃないかと。
「何かやることをください」と、そう言いたくもなります。
しかし、何かをやるから、逆におかしなことになります。
何もやらなければ、おかしなことにはなりません。
そもそも、問題は何もありません。
問題がある状態がデフォルトではありません。
問題は、どこかの時点で発生するものです。
発生させなければ発生するものではありません。
最初からあるものではありません。
…
問題とはつまり、比較の問題です。
比較があるから、OKとNGが発生します。
比較がなければ、全てOKです。
NGは全て、OKとの対比によるものです。
対比するものがなければ、全てはOKです。
ダメっていうのは必ず、何かと比べてダメなはずです。
それ単体ではダメとはわかりません。
健康な状態に比べて、病気はダメ。
他社の売り上げと比較して、自社はダメ。
あの子の容姿に比べて、自分はダメ。
比較がなければ、病気はただの病気だし、自社はただ自社だし、自分はただ自分です。
それらがダメとかはありません。
結局問題とは、問題にするから問題になっている、ということです。
なんかとても当たり前ですね。
問題にしなければ、何も問題になりません。
このように、問題とは「発生」するものです。
もともと問題は、何もないのです。
どこかの時点でそれを問題と認識し、「取り組み、解決しないといけないもの」という扱いをしたから、そうなります。
何もしなければ、何も問題はありません。
…
じゃあ、やめるって何だろう?
問題化は、そもそも「やってる」という意識すらない。
ほとんど無意識に、それは行われている。
やってるつもりもない。
そんな無意識なものを意識するなんて、そもそも難しい。
だから、問題となる原因を一個ずつ捕まえてツブしていくやり方は、気が遠くなるし、そんなの不可能だと思える。
なので、一個ずつに対処するのではなく、そもそも「やめる」のです。
ただ単に、「やめる」のです。
個別のスイッチを切るのではなく、メインスイッチを一個切るのです。
そしたら個別のスイッチも、全部まとめて落ちます。
そんなメインスイッチ。
それが、ただ単に「やめる」ということです。
…
個別のスイッチとは、いってみれば「行為」です。
何かをやることによって、何かを何かに変更する、ということです。
彼との関係を断ち切るとか、思い切って上司に報告するとか、何かしらの「やること」です。
そしてメインスイッチとは、行為ではなく「在り方」です。
そういう状態である、ということです。
そういう状態である時、彼との関係を断ち切るとか、上司に報告するとかいう行為は、勝手に「起こり」ます。
「やる」と「起こる」の違いです。
自動的か他動的かの違いです。
自ら動くか、勝手に動くかの違いです。
そういうふうに在れば、行為は勝手に起こり、物事は勝手に整うという、そんな「在り方」です。
その在り方とは、「もともとの自分自身で在る」ということです。
つまり、「何もしない」ということです。
そのままでいる、ということです。
…
「何もしない」って、簡単そうであり、難しそうでもあります。
何もしないということ。
メインスイッチを落とすということ。
それがどういうことなのか、改めて感じてみましょう。
力を抜いて、楽になり、そのままが出てくるとはどういう感覚なのかを、探ってみましょう。
単に、楽になってみましょう。
そのままが、何も問題ないのです。
その「そのまま」に居るだけです。
やることは、何もありません。
…
単純に、「何もしなくていい」ってなったら、ホッとしませんか?
「明日から何もしなくていいよ」って言われたら、ホッとしませんか?
なんでホッとするのかと言えば、それが本来の状態だからです。
人は本来の状態に戻った時に、ホッとしたり、落ち着いたり、いい気分になったりします。
その状態を、頭の中に作るのです。
「気分」だけでいいのです。
全てのしがらみを捨て、自由になってみましょう、脳内で。
そのためにできることをしましょう。
何かをするなら、気分の落ち着くこと、ホッとすることを選択してみましょう。
気持ちが変われば、行動も環境も自然と変わります。
ですから、まずは「気分」を変えていきましょう。
問題解決とはつまり、問題が何もない場所へ行くことです。
それはどこかと言えば、元々の場所。
何もしない時に、ある場所です。
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