さて、何が大事でしょうか。
何かを得ることではありません。
何かを経験することではありません。
どういう存在であるか。
これが大事です。
自分がどういう存在であるか。
これに着目してみたことは、ありますでしょうか?
いつもあれが欲しい、これが欲しいと言っているその人。
手に入れるものの方ではなく、手に入れる方の人。
それは、身長体重名前や性格、そういう表面的なことではありません。
あなたという存在そのものが、一体どういうものなのか、そのことに着目してみたことは、ありますでしょうか。
我々は自分を生きていながら、自分についてあまり知りません。
自分とは何でしょう。
生きていると、考えであったり、感情であったり、感覚であったりが、いつも起こっていますね。
コーヒーの味わい、明日どうしようという考え、目に入る景色。
そういったものが起こってますね。
そういったものが起こっている「場」が、自分という感じですね。
世界が展開する場。
それが自分という感じですね。
そして、その場を、よいもので満たしたい、自分にとって好ましいものだけにしたい。
そう思って、また実際そうなるように活動して、生きていますね。
しかし実際、その場に展開する物事は、良かったり良くなかったりです。
ある程度コントロールできるような気はするけど、まあ大体はコントロール不可能。
起こって欲しくないことも、理不尽なことも、起こります。
しばらく生きていると、そういうことに気づきます。
では次に、どういう作戦にでましょうか。
「コントロールする」という方法は、どうやらうまくいかないということに、我々は気づきました。
では次に、どうしましょうか?
そもそも、なぜコントロールしようと思ったかというと、いいものを自分の場に登場させ、それによって自分を気持ちよくしてもらおうという作戦でした。
場に登場するもの。
つまり、外のモノやコトに、自分を満足させてもらおうという作戦です。
それは、うまくいったりいかなかったり、いやむしろ、ほとんどうまくいきませんでした。
じゃあ次に何を考えるかといったら、外のモノやコトに頼らない方法です。
自分で自分を満足させるという方法です。
考えてみれば、こっちの方がシンプルでストレートですね。
なんでわざわざ外のモノに頼るという回りくどい方法をとっていたのか、よく考えてみたら不思議です。
自分で自分を満足させる。外のモノに頼らない。
実にワクワクする発想です。
こんなことができたら、かなり素晴らしいですね。
外の状況がどうであろうとも、いつもハッピーで居られるわけですから。
これこそが完璧であり、これこそが望んでいたものですね。
よし、じゃあ張り切ってその方法を探ってみましょう。
…
外のモノに頼らない。
その時着目すべき点は、「自分」ということになります。
外じゃないなら、自分しかありませんよね。
つまり、「自分がどういう存在であるか」そして「その存在に満足できるか」が決め手になるということです。
人は大抵、自分に満足していません。
だから、外に満足できるモノを求めていたのです。
不足感を埋め合わせるために、大量のモノやコトをかき集めてきたわけですが、それによって不足感が解消されるわけではありません。
不足感はブラックホールのようにそこにあり続け、ただモノやコトを飲み込むだけです。
ブラックホールを消去することをせずに、ただひたすらブラックホールの望むままに、モノやコトを放り込んできたのです。
自分の存在感。
それが「不足感」や「無力感」だということに、お気づきでしょうか。
そして自分の不足感を書き換え、「充足感」や「活力感」に変更することが、次なる作戦、だということに、お気づきでしょうか。
そうだと思われるなら、その作戦を実行していきましょう。
…
あなたは本来、どういう存在でしょうか。
あらゆる制約を取っ払った状態、それが「本来」ですね。「元々の」という意味でもあります。
あなたは元々、どういう存在だったでしょうか。
社会人としての義務、家族の一員としての役割、あらゆる制約。
そういうものを全て取っ払った時、あなたはどういう存在でしょうか。
「自由」ですよね。
あらゆる制約を取っ払ったら、それは「自由」ですよね。
人は本来、自由ですよね。
さて、自由です。
何でもOKです。
全てが許されています。
そんな状況において、あなたは何ですか?
その時あなたは、何ですか?
全てが許される状況において、あなたはどういう存在でしょうか?
それが、本来のあなたです。
それを捕まえてください。
注意深く見守り、逃さないでください。
目を離さないで、湧き上がってくるそれを、湧き上がるままに、姿を現させてください。
あなたが知らなかった自分。
いや、忘れていた自分。
本当の自分です。
「ああ、確かに自分はそれだった!」
懐かしさがこみ上げてくるかもしれません。
お家に帰ったような、ホッとくつろいだ気分になるかもしれません。
その自分でいましょう。
あとは何も必要ありません。
というか、その自分であれば、何の必要性も感じません。
その自分であるだけで、あとはもう何もいらないのです。
最高の気分です。
もうモノに頼る時代は終わりました。
あなたはあなたであるだけで、完全なのです。
もう何も必要ありません。
本当の自分。
世の中で探す価値がある本当の宝は、それです。
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