自分自身という宝

思い出してみてください、あなたは本来、どんな人であったか。

もっと優しい人ではありませんでしたか?

もっと繊細な人ではありませんでしたか?

 

あまりにも長い間自分を偽りすぎて、違う自分がすっかり板についてしまいました。

それはそれでいい経験でした。

それでしかできない経験も、してきました。

 

でも、そろそろ戻りましょう。

本来の自分に。

 

違う自分を経験したからこそ、深みができました。

違う自分を経験したからこそ、本来の自分が浮き彫りになりました。

 

本来の自分に戻るには、いいタイミングです。

 

 

本来の自分に戻るには、まず心を静めることです。

そして、外の情報はシャットアウトし、自分自身を見つめることです。

本来の自分が自由に泳ぎまわるのを見つめ、そして許してあげることです。

 

性格、クセ、嗜好。

しぐさ、ものの見方、表現の仕方。

大好きなこと、感じること、気持ちのよいこと。

 

些細な兆候も見逃さず、掬い上げてください。

「ああ、これが自分だった。確かにこれが、自分だった」

 

なつかしい再会です。

自分自身との、なつかしい再会です。

 

どんなにたくさんの子に埋もれていても、わが子の見分けがつくように、

あなたも偽りの自分の中から、本当の自分の見分けがつきます。

 

そして安らぎを覚えるのです。

「おかえり」って。

 

 

出征兵士が家に帰る時、どんな気持ちでしょう。

 

たくさん戦ってきた。

外の世界でやられないよう、一瞬も気を抜かずに、必死に戦ってきた。

そして戦いは終わった。

 

彼は家に帰ってきた。

ガラガラって引き戸を開けて、

「ただいま」って。

 

そこにどんな心の動きがあるでしょう?

 

偽りの自分は、あなたを守るために必死で戦った。

平和な街の平和なオヤジが、気のいい兄ちゃんが、自分を守るため、自分を偽り、必死で戦った。

 

そして帰ってきた。

 

もう戦いは終わったんだよ、平和が戻ってきたんだよ。

 

武装を解いて部屋着に着替え、居間でくつろごう。

茶でも飲んで談笑し、のんびりしよう。

 

もう「偽り」は必要ない。

 

 

本当の自分との再会。

それは「くつろぎ」です。

 

あなたはそれが本当の自分であるとピンときます。

なぜならそれが、「本当の」自分であるからです。

わが子がわからない親はいません。

 

彼を家に迎え入れてください。

そして、仲良く暮らしてください。

元の生活に、戻りましょう。

 

一度つかまえたら、もう二度と離さないでください。

もう二度と、戦地へと駆り出さないでください。

 

あなたは戦に参加する必要などないのです。

戦なんて本当は無いのです。

あなたは本当の自分と仲良く暮らしていいんです。

 

 

本当の自分が戻ってきた時、あなたは自分の愛深さに驚きます。

 

あなたは今まで、人を責めるばかりで、愛なんてあるはずないと思っていました。

愛なんてウソだと思っていました。キレイゴトだと思っていました。

完全にただの「観念」だと思っていました。

 

しかし、あなたは愛を目の当たりにするのです。

しかもあろうことか、自分の中に。

あっけにとられるほどの、驚きです。

 

あなたは本来の自分を見つけるべきです。

そうじゃないと、生きてる意味がないくらいです。

少なくとも、探してみようと思うべきです。

 

あなたは愛を外に向かって探しているのかもしれませんが、絶対に外にはありません。

外に向かって何かを求めるという今までのやり方は、改めましょう。

それは、幻想の中で独り相撲していることと同じです。

 

外には何もありません。

そこはあなたが身を守るべき戦場でもないし、あなたを満たす何かがある桃源郷でもありません。

 

実質があるのは、外ではなく、内です。

実質に生きるならば、自分自身と対話しましょう。

「本当の自分」だけが実質です。

 

注意を180°転換しましょう。

外から内へ。

他人から自分へ。

あなたの内なる些細な声を見逃さないでください。

 

自分の素晴らしさを知らないままなんて、もったいなさすぎる。

あなたはあなたの中に眠る宝を発見してください。

それがある場所は、あなたです。

あなたの中なんです。

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