「する」から「なる」へ

頑張ること、成し遂げること、何かを達成すること。

何かを「する」こと。

「すること=人生」

普通はそう思われています。

 

そして「する」ということには、非常な努力を要します。

意志の力が必要です。「えいやっ!」と。

非常に疲れます。

 

「人生は大変だ」という認識が一般的かと思いますが、それはそういうことですね。

努力を要する「する」に満たされている人生というものは、実に大変で疲れるものだと。

 

しかし、「する」ことは、実は大事ではありません。

なぜなら物事は全て「起こる」からです。

 

 

「起こる」ことには、なんの努力もいりません。

それはただ「起こる」だけですから。

何の努力も頑張りもいりません。

 

「何かをしないと人生うまくいかないのでは!?」

「物事をしっかりコントロールしておかないと、問題が起こってダメになる」

それらの考えは、あくまでただの「考え」です。

そして、そんな考えすら、ただ「起こって」います。

 

あなたのその考えは、どこからやってきましたか?

親に植え付けられましたか?

ではなぜ親が植え付けるという出来事が起こりましたか?

そもそも親に植え付けられたとしても、その考えから自由である人もいれば、それに縛られる人もいます。

 

現在の世界がなぜそのようになっているか。

それはわかりようもありません。

わかったと思ったそれは、あくまで1つの解釈です。

そしてなぜそのような解釈があなたに起こったのかは、やはり謎です。(笑)

 

ただ1つ言える確実なこと。

それは、ただ「そうなっている」ということです。

 

世界がそうである理由はわかりません。

でも、世界が現に「そうである」ということはわかります。

 

世界はただ「起こって」います。

 

 

「じゃあ何もしなくていいのか? 会社にも学校にも行かなくていいのか?」

そんな考えも「勝手に」浮かびますね。

そういう考えは勝手に浮かび、もし実際に行動したなら、それも勝手に起こることです。

そしてその行動に対する結果も、勝手に起こります。

 

「じゃあ好き放題やっていいの?」

そんな考えも、勝手に浮かびます。

その通り行動するなら、それも勝手に起こることであり、それに対する結果も勝手に起こることです。

 

「それってただ単にあなたの意見であって、真実ではないでしょう?」

そんな考えも、勝手に浮かぶことでしょう。

 

「じゃあどうすればいいんだよ!?」

再三言っているように、「する」ことはありません。

全てはただ「起こって」いるのですから。

 

 

どうすればいいのか?

これはみなさんの人生において、非常によく問われる質問です。

 

「どうすればいいのか?」

そこには何かを「しなくちゃいけない」という前提が、当たり前のように潜んでいます。

 

しかし、よく見てみてください。

あなたのこれまでの人生、これまでのやり方、それから世界の有り様を、よく観察してみてください。

 

今まであなたが何かを「した」としてきたことは、「起こった出来事」と「したという思考」の組み合わせではないですか?

全ては「出来事」と「思考」の組み合わせではないですか?

そこに「思考」が無ければ、ただ「出来事」があるだけではないですか?

 

今まで「意志の力で人生を切り開く」という「考え」を採用していたかもしれません。

意志の力でより良い人生を切り開く。

ボサッとしてたら人生はみじめなものになる、頑張って頑張って「良い人生」にしなくちゃいけない。

 

それらは全て「思考」であり、「何が良い人生か」「何がみじめな人生か」もひっくるめて全て「思考」ということが「見え」ますか?

思考があろうがなかろうが、出来事はただ起こります。

 

「いやいや、自分がそうしなかったら、その出来事は起こり得なかった」

それも思考ですね。

 

「自分がそうしたから、それが起こった」

それは一般的にはごく当たり前の「考え」です。

今までそれが普通で生きてきたから、あなたがそのポジションにいるのはわかります。

 

でも、その「考え」に注目するのではなくて、その考えすら起こる全体の「場」に注目してみてください。

その「場」においては、全ては「起こっているだけ」ではありませんか?

「思考」すら出来事の1つとして「起こっているだけ」ではありませんか?

よく見てみてください。

 

 

ここで話していることは、それが良いとか悪いとかいう話ではありません。

ただ見たままです。

「ただそうなっている」ということを、「ただ見た」だけです。

 

「だから何?」

「だから何だというの?」

あなたはそう言うかもしれません。

 

「だから何?」という質問は、何かを期待しているからこそ発せられる言葉ですね。

しかし、あなたが期待しているようなことは、何もありません。(笑)

ただそうだというだけです。

 

何もありません。

あなたが期待しているものは。

あなたが予想し、想像しているものは、何もありません。

 

しかし、予想や想像「外」のものなら、あるかもしれません。

予想や想像で範囲を限定していると、予想や想像を超えるものを見逃します。

 

何も期待しないでください。

期待しないで「ただ見て」ください。

そして何が起こるかを、人の話ではなく、あなた自身の経験として、体験してください。

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