頑張ること、成し遂げること、何かを達成すること。
何かを「する」こと。
「すること=人生」
普通はそう思われています。
そして「する」ということには、非常な努力を要します。
意志の力が必要です。「えいやっ!」と。
非常に疲れます。
「人生は大変だ」という認識が一般的かと思いますが、それはそういうことですね。
努力を要する「する」に満たされている人生というものは、実に大変で疲れるものだと。
しかし、「する」ことは、実は大事ではありません。
なぜなら物事は全て「起こる」からです。
…
「起こる」ことには、なんの努力もいりません。
それはただ「起こる」だけですから。
何の努力も頑張りもいりません。
「何かをしないと人生うまくいかないのでは!?」
「物事をしっかりコントロールしておかないと、問題が起こってダメになる」
それらの考えは、あくまでただの「考え」です。
そして、そんな考えすら、ただ「起こって」います。
あなたのその考えは、どこからやってきましたか?
親に植え付けられましたか?
ではなぜ親が植え付けるという出来事が起こりましたか?
そもそも親に植え付けられたとしても、その考えから自由である人もいれば、それに縛られる人もいます。
現在の世界がなぜそのようになっているか。
それはわかりようもありません。
わかったと思ったそれは、あくまで1つの解釈です。
そしてなぜそのような解釈があなたに起こったのかは、やはり謎です。(笑)
ただ1つ言える確実なこと。
それは、ただ「そうなっている」ということです。
世界がそうである理由はわかりません。
でも、世界が現に「そうである」ということはわかります。
世界はただ「起こって」います。
…
「じゃあ何もしなくていいのか? 会社にも学校にも行かなくていいのか?」
そんな考えも「勝手に」浮かびますね。
そういう考えは勝手に浮かび、もし実際に行動したなら、それも勝手に起こることです。
そしてその行動に対する結果も、勝手に起こります。
「じゃあ好き放題やっていいの?」
そんな考えも、勝手に浮かびます。
その通り行動するなら、それも勝手に起こることであり、それに対する結果も勝手に起こることです。
「それってただ単にあなたの意見であって、真実ではないでしょう?」
そんな考えも、勝手に浮かぶことでしょう。
「じゃあどうすればいいんだよ!?」
再三言っているように、「する」ことはありません。
全てはただ「起こって」いるのですから。
…
「どうすればいいのか?」
これはみなさんの人生において、非常によく問われる質問です。
「どうすればいいのか?」
そこには何かを「しなくちゃいけない」という前提が、当たり前のように潜んでいます。
しかし、よく見てみてください。
あなたのこれまでの人生、これまでのやり方、それから世界の有り様を、よく観察してみてください。
今まであなたが何かを「した」としてきたことは、「起こった出来事」と「したという思考」の組み合わせではないですか?
全ては「出来事」と「思考」の組み合わせではないですか?
そこに「思考」が無ければ、ただ「出来事」があるだけではないですか?
今まで「意志の力で人生を切り開く」という「考え」を採用していたかもしれません。
意志の力でより良い人生を切り開く。
ボサッとしてたら人生はみじめなものになる、頑張って頑張って「良い人生」にしなくちゃいけない。
それらは全て「思考」であり、「何が良い人生か」「何がみじめな人生か」もひっくるめて全て「思考」ということが「見え」ますか?
思考があろうがなかろうが、出来事はただ起こります。
「いやいや、自分がそうしなかったら、その出来事は起こり得なかった」
それも思考ですね。
「自分がそうしたから、それが起こった」
それは一般的にはごく当たり前の「考え」です。
今までそれが普通で生きてきたから、あなたがそのポジションにいるのはわかります。
でも、その「考え」に注目するのではなくて、その考えすら起こる全体の「場」に注目してみてください。
その「場」においては、全ては「起こっているだけ」ではありませんか?
「思考」すら出来事の1つとして「起こっているだけ」ではありませんか?
よく見てみてください。
…
ここで話していることは、それが良いとか悪いとかいう話ではありません。
ただ見たままです。
「ただそうなっている」ということを、「ただ見た」だけです。
「だから何?」
「だから何だというの?」
あなたはそう言うかもしれません。
「だから何?」という質問は、何かを期待しているからこそ発せられる言葉ですね。
しかし、あなたが期待しているようなことは、何もありません。(笑)
ただそうだというだけです。
何もありません。
あなたが期待しているものは。
あなたが予想し、想像しているものは、何もありません。
しかし、予想や想像「外」のものなら、あるかもしれません。
予想や想像で範囲を限定していると、予想や想像を超えるものを見逃します。
何も期待しないでください。
期待しないで「ただ見て」ください。
そして何が起こるかを、人の話ではなく、あなた自身の経験として、体験してください。
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